国家賠償法 行政法

国会賠償法3条4条5条6条の要点をわかりやすく解説。

国会賠償法3条4条5条6条の要点をわかりやすく解説しています。
公の営造物の設置管理の瑕疵が原因となり生じた損害に対する賠償責任。

【3条】賠償責任者

国家賠償法に基づいて賠償請求をする場合、管理権者とその費用負担者が異なるときは、被害者救済の観点から、その費用負担者もまた責任を負うこととしました(3条1項)。

Mr.OK(著者)
国家賠償法による訴えを起こす場合、被告(誰を相手とするか)がわかりにくいことで、
被害者が混乱しないように、費用負担者も責任者としています。

■賠償責任者

1条(ヒト)  公務員の選任若しくは監督をする者と公務員の俸給、給与その他の費用を負担する者が異なる場合、費用を負担する者もまた、その損害を賠償する責に任ずる
2条(モノ)  公の営造物の設置若しくは管理に当る者と設置若しくは管理の費用を負担する者とが異なる場合、費用を負担する者もまた、その損害を賠償する責に任ずる

 補助金を交付している立場の者であっても、費用を負担する者と同等若しくはこれに近い費用を負担していて、実質的には事業を共同で執行していると認められる者で、当該営造物の瑕疵による危険を効果的に防止できる者については、賠償責任を負う(最判昭50・11・28)。

他に損害の原因について責に任ずべき者があるときは、国又は公共団体は、これに対して求償権を有します。

判例: 求償金請求事件

市立中学校において、県で給与や費用を負担している教職員の体罰事件について、県が被害者に損害賠償を支払った後に、当該市に対して求償権を行使できるか?

教職員の人件費の負担以外の事務経費は市が負担するものであり、損害賠償の費用もその負担の範囲内であるとして、3条2項に基づき、賠償した損害の全額を当該中学校を設置する市に対して求償することができる(最判平21・10・23)

【4条】民法の適用

国又は公共団体の損害賠償の責任については、前3条の規定によるの外、民法の規定による(4条)

国家賠償法1条~3条の規定以外に関しては、民法の規定によるとしています(4条)。

失火責任法の適用

4条に規定する「民法の規定」には、民法709条の特別法である失火ノ責任ニ関スル法律(失火責任法)は適用されるとしています(最判昭53・7・17)。
公務員の失火責任を追及する場合には、「重大な過失」が要求されることになります。

Mr.OK(著者)
国家賠償法では「公務員の故意または過失」が要件ですが、失火責任法に規定されている「火事現場における公務員(消防員)の責任には重過失がいる」と規定しているため、失火責任法に該当するような公務員の責任に関しては、失火責任法を優先するということです。

原則:故意または過失
失火責任法:重過失(例外)

【5条】他の法律の適用

国又は公共団体の損害賠償の責任について民法以外の他の法律に別段の定めがあるときは、その定めるところによる(5条)

そうすると、国や公共団体の損害賠償責任を免除・軽減するような特別法が制定された場合、当該規定は憲法17条違反にならないかが問題となる場合があります。

憲法第十七条
何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる

実際、旧郵便法では、国の損害賠償責任の免責・軽減が規定されていました。
これに関しては「無効」という判決が出ています。

重要判例:郵便法の無効判例

書留郵便物について郵便業務従事者の「故意または重大な過」によって損害が生じた場合について、免除又は制限をしている規定
特別送達郵便物について郵便業務従事者の「軽過失」によって損害が生じた場合まで、国の国家賠償責任の免除し又は制限している規定
これらは憲法17条違反で「無効」

【6条】相互保証主義

外国人が被害者である場合、相互保証があるときに限って、国家賠償法が適用される(6条)

相互保証主義とは、外国人が被害者である場合に、
その外国人の本国において日本人が被害者となった場合にその国で国家賠償制度を適用できるのであるのなら、
日本においてもその外国人に国家賠償をしようというものです。

Mr.OK(著者)
たとえば、A国が日本人に対して、A国の国家賠償を適用できる制度運用がされているのであれば、
A国の国民を日本も日本の国家賠償で補償してあげるようにする、ということです。

要は「あんた(外国)のところがうち(日本人)のことを国家賠償してくれるんなら、うち(日本)もあんたのところの人を国家賠償してあげるよ」っていうのが相互保障主義です。(

ここはさらっと学習する範囲です。あまり難しいポイントはないので、最短時間で効率的に学習しましょう。

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