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【暗記表付き】行政手続法の適用除外・その理由についてわかりやすく解説!

この記事は「行政手続法の適用除外のパターン」について行政書士試験対策向けにわかりやすく解説しています。

めちゃでるマーク!最重要頻出

絶対覚えておこう。毎年出るかも。私が試験を受けたときも出ましたw

処分・行政指導についての個別の適用除外事項

行政手続法は、処分・行政指導すべてに適用される一般法ですが、
一部の処分や行政指導はこの一般法より優先すべき特別法があるため「行政手続法は適用しない」と
されているものがあり、そのパターンを列挙しておきます。

原則:処分・行政指導・届出・命令等すべてに適用
例外:以下に定める処分・行政指導は適用除外である(適用しない)

Mr.OK(著者)
「適用除外」というのは「適用を除外する」と言う意味で、
「原則は適用するものの中から、適用しない例外的な規定を列挙」しています。
他の法でも出てくるので「適用除外=例外」とイメージできるようにしておきましょう!
  1. 国会の両院若しくは一院又は議会の議決によってされる処分
  2. 裁判所若しくは裁判官の裁判により、又は裁判の執行としてされる処分
  3. 国会の両院若しくは一院若しくは議会の議決を経て、又はこれらの同意若しくは承認を得た上でされるべきものとされている処分
  4. 検査官会議で決すべきものとされている処分及び会計検査の際にされる行政指導
  5. 刑事事件に関する法令に基づいて検察官、検察事務官又は司法警察職員がする処分及び行政指導
  6. 国税又は地方税の犯則事件に関する法令(他の法令において準用する場合を含む。)に基づいて国税庁長官、国税局長、税務署長、国税庁、国税局若しくは税務署の当該職員、税関長、税関職員又は徴税吏員(他の法令の規定に基づいてこれらの職員の職務を行う者を含む。)がする処分及び行政指導並びに金融商品取引の犯則事件に関する法令(他の法令において準用する場合を含む。)に基づいて証券取引等監視委員会、その職員(当該法令においてその職員とみなされる者を含む。)、財務局長又は財務支局長がする処分及び行政指導
  7. 学校、講習所、訓練所又は研修所において、教育、講習、訓練又は研修の目的を達成するために、学生、生徒、児童若しくは幼児若しくはこれらの保護者、講習生、訓練生又は研修生に対してされる処分及び行政指導
  8. 刑務所、少年刑務所、拘置所、留置施設、海上保安留置施設、少年院、少年鑑別所又は婦人補導院において、収容の目的を達成するためにされる処分及び行政指導
  9. 公務員(国家公務員法に規定する国家公務員及び地方公務員法に規定する地方公務員をいう。)又は公務員であった者に対してその職務又は身分に関してされる処分及び行政指導
  10. 外国人の出入国、難民の認定又は帰化に関する処分及び行政指導
  11. 専ら人の学識技能に関する試験又は検定の結果についての処分
  12. 相反する利害を有する者の間の利害の調整を目的として法令の規定に基づいてされる裁定その他の処分(その双方を名宛人とするものに限る。)及び行政指導
  13. 公衆衛生、環境保全、防疫、保安その他の公益に関わる事象が発生し又は発生する可能性のある現場において警察官若しくは海上保安官又はこれらの益を確保するために行使すべき権限を法律上直接に与えられたその他の職員によってされる処分及び行政指導
  14. 報告又は物件の提出を命ずる処分その他その職務の遂行上必要な情報の収集を直接の目的としてされる処分及び行政指導
  15. 審査請求、再調査の請求その他の不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の処分
  16. 15.に規定する処分の手続又は不利益処分における聴聞若しくは弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続において法令に基づいてされる処分及び行政指導
Mr.OK(著者)
うわ!めっちゃあるやんこんなん暗記無理!と思います?
暗記しないとダメですよ・・・

というのは半分冗談で、本気で暗記しなくても暗記できます。
以下に適用除外のパターン別に「なぜ適用除外なのか」をそれぞれ列挙していきます。
「なぜ」と絡ませて「記憶を重層化=記憶のバームクーヘン化」を進めていきましょう。

【強い特別法がある系】行政手続法ではカバーできないくらいもっと強い特別法がある。

1.国会の両院若しくは一院又は議会の議決によってされる処分
2.裁判所若しくは裁判官の裁判により、又は裁判の執行としてされる処分
3.国会の両院若しくは一院若しくは議会の議決を経て、又はこれらの同意若しくは承認を得た上でされるべきものとされている処分
4.検査官会議で決すべきものとされている処分及び会計検査の際にされる行政指導
5.刑事事件に関する法令に基づいて検察官、検察事務官又は司法警察職員がする処分及び行政指導
6・国税又は地方税の犯則事件に関する法令(他の法令において準用する場合を含む。)に基づいて国税庁長官、国税局長、税務署長、国税庁、国税局若しくは税務署の当該職員、税関長、税関職員又は徴税吏員(他の法令の規定に基づいてこれらの職員の職務を行う者を含む。)がする処分及び行政指導並びに金融商品取引の犯則事件に関する法令(他の法令において準用する場合を含む。)に基づいて証券取引等監視委員会、その職員(当該法令においてその職員とみなされる者を含む。)、財務局長又は財務支局長がする処分及び行政指導

1~6は、国会や裁判所という手続機関があり、また「刑事訴訟法」「国税法」
より強い特別法があるため、行政において手続きをする必要がないものです。

Mr.OK(著者)
1~6に関しては、より強い機関や法律があるため、行政手続法ごときが出る幕はない!!
って感じです。

「国会・裁判所・検察・国税等の強い軽は行政手続法の適用除外」と覚えておくといいでしょう。

【狭い世界系】狭い世界なので一般法である行政手続法はなじまない

7.学校、講習所、訓練所又は研修所において、教育、講習、訓練又は研修の目的を達成するために、学生、生徒、児童若しくは幼児若しくはこれらの保護者、講習生、訓練生又は研修生に対してされる処分及び行政指導
8・刑務所、少年刑務所、拘置所、留置施設、海上保安留置施設、少年院、少年鑑別所又は婦人補導院において、収容の目的を達成するためにされる処分及び行政指導
9.公務員(国家公務員法に規定する国家公務員及び地方公務員法に規定する地方公務員をいう。)又は公務員であった者に対してその職務又は身分に関してされる処分及び行政指導

7.学校等、8.刑務所等、9.公務員は、狭い世界における特別の関係であり、
一般法である行政手続法の適用にはなじまないものであるため、適用除外とされています。

「学校・刑務所・公務員等の狭い世界は行政手続法の適用除外」と覚えておくといいでしょう。

外国人系も適用除外

10.外国人の出入国、難民の認定又は帰化に関する処分及び行政指導

外国人の出入国や帰化等の外国人系は、出入国管理及び難民認定法や国籍法等の法律が規定しているので、適用除外です。

「外国人系は行政手続法の適用除外」と覚えておくといいでしょう。

試験系も適用除外

11.専ら人の学識技能に関する試験又は検定の結果についての処分

試験委員が判断するものなので適用除外です。人の技能や試験の点数を、一般法である行政手続法なんかで処理できないと考えれば、わかりやすいと思います。

「人の技能や試験も一般的じゃないので行政手続法の適用除外」と覚えておくといいでしょう。

利害調整系も適用除外

12.相反する利害を有する者の間の利害の調整を目的として法令の規定に基づいてされる裁定その他の処分(その双方を名宛人とするものに限る。)及び行政指導

要は行政庁が名あて人に対して行う一般的な処分・行政指導というよりも、
相反する利害を有する者の利害の調整(要は間に入って仲裁的なことをする)のために行われる
処分や行政指導なので、少し一般的な処分・行政指導を異なるため、適用除外となります。

Mr.OK(著者)
利害調整なんだからむしろ平和的で、
「〇〇やれ!」「こら!」みたいな
処分や行政指導っぽくないでしょ?

”その双方を名宛人とするものに限る。”という文言の意味は、仲裁的な立場で入っているのに
どちらか一方にだけ有効な処分などを行えばそれは一般的な処分と同様になるため「双方を名あて人とする」
という条件をつけているだけです。

「利害調整系も行政手続法の適用除外」と覚えておけばいいです。

警察官・海上保安官の公益目的の処分行政指導も適用除外

13.公衆衛生、環境保全、防疫、保安その他の公益に関わる事象が発生し又は発生する可能性のある現場において警察官若しくは海上保安官又はこれらの公益を確保するために行使すべき権限を法律上直接に与えられたその他の職員によってされる処分及び行政指導

警察官等の執行機関に法律上直接与えられた権限内での処分又は行政指導については、
法律上直接与えられているので、行政手続法の適用をする余地がありません。
要は、難しい文言が書いていますが「特別法があるので、一般法の行政手続法よりも優先する」というだけの話です。

「法律に直接与えられた権限での処分・行政指導も行政手続法の適用除外」と覚えておけばいいです。

情報収集するのが目的系は適用除外

14.報告又は物件の提出を命ずる処分その他その職務の遂行上必要な情報の収集を直接の目的としてされる処分及び行政指導

14.は、「行政庁が情報を集めるために行う」処分や行政指導のことで、
処分の相手方を制限することを直接の目的としていないので、行政手続法で行政のパワーを制限する必要がないため
適用除外となっています。

Mr.OK(著者)
情報を集めるだけなので「いちいち行政手続法で制限をかけるまでもない」という感じです。

行政不服審査法の対象となるものも適用除外

15.審査請求、再調査の請求その他の不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の処分
16.15.に規定する処分の手続又は不利益処分における聴聞若しくは弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続において法令に基づいてされる処分及び行政指導

行政不服審査法を学習すれば簡単にわかるかと思いますが、審査請求や再調査請求等は、
行政不服審査法が規定しているため、行政手続法は適用除外です。

※そもそも行政手続法は「処分や行政指導等をする際のルール(事前手続き的)」なのに対し、
行政不服審査法は「救済措置(事後的)」なので範囲が違います。(行政不服審査法を学習すれば簡単に理解できます。
未学習の人はここはわからなくてもあとでわかるようになるので、安心してください。
わからんわ!と発狂しないでください。(笑)

地方公共団体の機関等がする処分等に関する適用除外事項

地方公共団体の機関がする以下の事項については行政手続法の適用除外とされています。

・その根拠となる規定が条例又は規則に置かれている処分
・通知の根拠となる規定が条例又は規則に置かれている届出
・行政指導
・命令等

わかりやすいように図解しました。

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丸暗記すべし。

※この地方公共団体の機関に関する行政手続法の適用除外は、
地方自治の本旨(地方分権:地方に権力を分散する目的)に合わせて、
自治性をもたせるため、地方自治体の機関がする上記の図のものに関しては、
一般法である行政手続法(つまり国の法律)の適用を除外しておこう、という理由によるものです。

Mr.OK(著者)
ちなみに、国の機関が行う処分・行政指導・届出・命令等は、前述個別の適用除外の場合を除いて、適用除外にはなりません。
あくまでこの図は「地方公共団体の機関が行う」ものについてです。
なぜかというと「地方分権のため」です。だから一般法の適用除外をしているのです。
ひっかけで出てくるので必ず区別しておきましょう。

×国の機関が行う
〇地方公共団体の機関が行う

行政機関相互間の処分等は適用除外

行政機関相互間の処分(これらの機関又は団体がその固有の資格において当該処分の名あて人になるものに限る。)、行政指導、届出

行政機関相互間の処分は国民に向けているわけではないので、行政のパワーから国民を保護する必要がないため、
行政手続法の適用除外になっています。

固有の資格:一般私人が立ち入ることができないような特殊な立場にある状態にあること(天上人のようなイメージ)

まとめ:地方公共団体の機関が行う適用除外事項は超頻出!

その他、1段目の「個別の適用除外」も説明したようなイメージでしっかりと記憶に定着させておきましょう!

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