憲法における人権の種類と保証範囲について世界一わかりやすく解説していきます。
人権の分類
日本国憲法に規定されている人権は、時代の変化とともに徐々に拡大していったものであり、その流れとともに理解するといいですよ。
自由権
憲法の意味と基本原理でも解説しましたように、
「暴走する国を制御する」という役割が今の日本の「立憲的意味の憲法」なわけですが、
その根幹にあるのが「自由権」です。
これまでは、中世ヨーロッパの「王様=国と奴隷みたいな国民」の関係性だった。しかし、
「王様なんて不要。国民はみな等しく平等で、国によって人生を支配されるなんておかしいよね!」という思想のもと今の立憲的意味の憲法が発達していったわけですね。
まさにこの自由権は憲法が保障する人権の根幹をなします。私たちが普段自由に生活できているのも、この憲法の「自由権」があるからだと思うと、ワクワクしますよね!
この自由権の小カテゴリはこんな感じ。
| 精神的自由権 | 心な中は何にも制約されない。自由だ!!!という権利 |
| 経済的自由権 | 営業したり、個人の営業活動は自由だ!という権利 |
| 人身の自由 | 奴隷的拘束をされないぞ!という権利 |
私たちが普段当たり前に行ってる行動も、このような憲法の自由権が保証してくれているので安心して生活できているわけです。
「引っ越そうかな~?」と思えるのは精神的自由権だし(引っ越そうと思おうが思うまいが自由、誰にも否定されない)
「よし!引っ越そう!」と実際に引っ越しできちゃうのは経済的自由権だし(どんな経済活動しようが勝手!国家に勝手に決められない!)
引っ越そうとするところにストーカーが表れて「引っ越さないでくれ・・・」と肉体を拘束されないのは人身の自由(誰にも奴隷的に拘束されない)
わけですね。当たり前にできちゃう私たちの生活は憲法の自由権があるおかげなのです。ワクワクしますね!
個々にはそれぞれまた「営業の自由」とか「居住移転の自由」とかいろいろありますが、別記事でまとめていますのでそちらをご参照ください。
社会権
さらに「暴走する国を制御する」+「社会的弱者の救済せよ」となってきて現れたのがこの「社会権」です。また一歩進んだわけです。
20世紀くらいまでの国というのは、今みたいに極めて成熟した制度が整っているわけではなく、「国家は国民に干渉せず、最低限の治安維持に努めればよい」という「夜警国家(消極国家の)思想」だったのです。
しかし、産業革命が起こり資本主義の発達によって生み出された経済的格差や労働条件の悪化が起こりました。
すると、
「確かに、国は暴走しなくなったけど、次は国民の中で暴走するやつが表れたぞ!!国が責任をもって国民の人権を守らんかい!」
となったわけです。

国(勝ち組)VS 民衆(国民・負け組)
という構図だったのが、
国の中で、 国民(勝ち組)VS国民(負け組)
という構図ができた。
おい!ちゃんと国家が国民の面倒もある程度見ろよ!となったわけです。
そこで、国家が積極的に介入し、社会的経済的弱者を救済すべきという考え「社会福祉国家(積極国家の)思想」が現れました。
このような考えに基づいて登場した人権が「社会権」なのです。
※このような立憲的意味の憲法の現代風のパワーアップバージョンの憲法のことを、社会権等が登場する前の立憲的意味の憲法特別して「現代立憲主義憲法」と言います。
社会権の小カテゴリはこんな感じ。
| 生存権 | すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国家は「最低限の生活は国民のどんな人でも営めるようにしてね!」みたいな感じ。(生活保護とか想像すればいいですね) |
| 教育を受ける権利 | みな等しく教育を受ける権利があるぞ! |
| 勤労の権利 | 働いて生活をよくする権利があるぞ! |
| 労働基本権 | 劣悪な労働環境で働かないようにしてもらう権利があるぞ! |
参政権
すると、さらに国民が国家に対して「お前らは放っておくと何するかわからないから、政治に参加させろー!」となったわけです。
それが参政権ですね。参政権というのは、以下4つの権利があります。
参政権の小カテゴリはこんな感じ。
| 選挙権・被選挙権 | 選挙で国会議員を選んだり、自ら国民が国会議員になったりできる権利 |
| 最高裁判所長官の国民審査権 | おかしな判決を出す最高裁判所長官がいると、国民生活が脅かされかねない!いくら最高裁判所長官だからと言ってあまりにいい加減なことしてるぞ国民が審査するぞー!という権利 |
| 地方自治法の住民投票権 | 国単位ではなく、地方単位での決め事を住民(地方自治における国民)に決めさせろー!という権利 |
| 憲法改正の国民投票権 | 国民主権であるこの根幹たる憲法を変えるかもしれないときの権利を付与しておけー! |
受益権
ここまでくるとさらに進んで、国家は国民に「国民の利益のために国家の積極的な行為を請求できる権利」まで付与しはじめたわけです。
ここまでくると自由権の部分でお話した「夜警国家」とは対極にありますね。
※「国家は国民に干渉せず、最低限の治安維持に努めればよい」という「夜警国家(消極国家の)思想」
受益権の小カテゴリはこんな感じ。
| 請願権 | 国や公共団体の人たちのお仕事に文句を言える権利 |
| 国家賠償請求権 | 国や公共団体に対して賠償を請求できる権利 |
| 裁判を受ける権利 | ちゃんと裁判所に裁いてもらえる権利(司法権を受ける権利) |
| 刑事補償請求権 | 国によっておかしな罰を与えられたときにその補償を請求できる権利 |
と、この大きな4つが憲法の保障する人権なのです。
まとめ:自由権・参政権・社会権・受益権は私たちの今の当たり前の生活を保障してくれている重要な権利
このように立憲的意味の憲法は歴史の流れに応じてパワーアップしているという印象を持つとわかりやすいと思います。
だんだん下にいくにつれて国民の保護というか国民のためになるような保証が充実していってるのがわかると思います。↓
| 自由権 | 国家が国民の自由な意思決定及び活動を保障する権利。 |
| 社会権 | 社会的・経済的弱者が人間に値する生活を営むために、国家による積極駅配慮を求めることが出来る権利。 |
| 参政権 | 国民が国の政治に参加することができる権利。 |
| 受益権 | 国民が国に対して一定の作為を要求出来る権利です。 |
それぞれの詳しい解説は別記事にて解説しておりますので、適宜ご覧ください。
それでは!本日もオールオッケー!ご覧いただきありがとうございました。
